最近ツイッターで村上春樹についての会話をよく目にします。激しい議論の中、支持する人は彼の表現する「美しい日常」を絶賛しているようですね。確かに村上春樹特有の、ありふれた日常をいかに美しいものにするか、という表現は素晴らしいと思います。私もそのような感性は好きですし、日本のアーティストのi-flsも普通だったら忘れ去られるようなテーマを音楽を通して表現しています。物やサービスがテーマだったり(“Twitter,” “Vocaloid,” “Family Restaurant”)自然がテーマだったり(“Summer Breeze,” “I Saw Raindrops”) 女性の名前が含まれていたり(“Satomi,” “Chiaki Gazed You,” “Yui”)。Garagebandで作られたボーカルレスな楽曲達は、驚く程少ない数の楽器から構成されていて、短くもノスタルジック。まるで気持ちをスケッチしたかのような。i-flsはここ数ヶ月だけでも数多くのリリースをしているのですが、Enhanced GardenというEPに収録されている、飛び跳ねるような”No Adventure”、幻想的な”Stardust”、そしてまるで好きな女性が自分を見つめているような気持ちにさせてくれる”Chiaki Gazed You”がオススメです。”Chiaki Gazed You”は嬉しくも不安なあの気持ちを上手く表現できているのではないでしょうか。i-flsの楽曲はまるで日記のようにシンプルで、日常を美しいものとして表現しています。