Make Believe Melodies Logo

Category Archives: Music @ja

New She Talks Silence: “Walk Away”

先週東京のデュオ、She talks Silenceが新曲”Walk Away”をSoundCloudで発表しました。Minami Yamaguchiは短いイントロの中で”walk away now”の持つ意味を明確にし、そこから速いテンポで短い3分間程度ギターをかき鳴らしていきます。”I know you’ll hate me”という印象的なフレーズが象徴するように、後ろを振り向かずに前へ前へと進みたい気持ちと共に疾走する美しい曲です。試聴は以下から。

New Moscow Club: “Fahrenheit 451”

Moscow Clubは本当に素晴らしい。最初に我々が注目した”Daisy Miller Pt. 1″ は、ヘンリー・ジェームスの物語からの引用で、作品同様の感情的な雰囲気を醸し出しています。今回SoundCloudにアップされた曲は、”火星年代記”や、”華氏451″等を執筆したSF作家、レイ・ブラッドベリ(レイ、 数々の素晴らしい作品をありがとう。安らかに眠れ。)へのトリビュート精神が。Moscow Clubの新曲は”華氏451″の英語タイトル、”Fahrenheit 451″で、”Daisy Miller”の曲のように文学的に攻めるのではなく、あくまでレイドバック。悲しい過去の物語を語るのではなく、ちゃんとダンスフロアにそぐうように作曲されています。シンセが良い味を出しているこの曲はMoscow Clubの今までの曲よりも打ち込みがメインになっていて、この3分程の遊び心溢れる作品は、Toro Y MoiやKissesを連想させます。コーラスが実に美しい。試聴は以下から。

Kill Them With Cuteness: Chibi-Tech’s “Moe Moe Kyunstep”

オタク文化は長い間アニメやアイドル、そして漫画等と関連していた為、秋葉原にある全ては敬遠されがちでした。その周辺の音楽も例外ではなく、AKB48の名前を聞くだけで嫌がる人もいますよね。でも今年に入ってからはそのオタク文化が他のジャンルと上手く解け合ってきている気がします。アニメのサンプルは数々のインディーポップ作品に使われていますし、Shortcake Collage Tapeからも、Fazerockのダンスミュージックからも聴く事が出来ます。ボーカロイドをユニークに使うmus.hibaや、アイドルグループの東京女子流とタッグを組んでリミックス作品をリリースしたネットレーベル、Maltine Recordsも興味深いです。あまり認めたくはないのですが、AKB48の”Uza”もなかなか良かったです。

そしてアメリカ出身のChibi-Techは何と…EDMとメイドカフェの世界観を融合させた2曲を発表しました。作品名”Moe Moe Kyunstep”はそんなお店で働いてる店員さん達のセリフをもじったタイトル。でも曲は決してカフェで演奏するようなスタイルではなく、あくまでクラブ用です。一曲目はぶっちぎりのチップチューンなのですが、Chibi-Techはゲーム会社で働いているため納得です。AKB48をスーパーマリオブラザーズ2のフィルターを通して愉快に歌わせたような雰囲気が好印象。2曲目ももっと注目されるべきだと思っています。彼女の放つ特徴的な8-bitの音はスクリレックス風のブローステップに吸い込まれていき、一時は可愛らしかったNESの音はしだいに攻撃力を強めていきます。FazerockやMaltineも似たような事をやっているし、Youtubeには数多くの8-bitブローステップはあるのはわかっているのですが、その中でも”Moe Moe Kyunstep”は本当によく作曲されていると思います。試聴はこちらから、購入はこちらから。

Teen Runnings Team Up With Sea Lions For A Split Release, Share “We’ll Never Stay Together”

Teen Runningsが何とカリフォルニアのインディーポップバンドのSea Lionsとスプリット作品”Home Recordings”をリリースするみたいです。彼等を”purveyors of indie and bedroom pop”(インディーとベッド・ルームポップの供給者)と紹介するNeotomic Records!がこの”Home Recordings”を限定版のカセットとしてリリースするとの事。Teen RunningsはMaroon 5の”Won’t Go Home Without You”のカバーや、ネットに出回ってたりする過去2年のデモ・トラック等を収録する模様。今は”We’ll Never Stay Together” が聴けるようになっていて、これはTeen Runningsの長所だけを強調した名曲です。さびれたボーカルをフィーチャーした爽やかなサーフ・ロックで、全てはフィードバックで崩されています。試聴はこちらから

Dancing After 1 AM Compilation Featuring MIR, She Talks Silence, Extruders And More

Call And Response Recordsの新しいコンピレーションアルバム、”Dancing After 1 AM”は、我々の友達、イアン・マーティンのレーベルのものなので…探す手間が省けました。18曲も収録されているこのアルバムには、日本屈指のロック・アーティスト達も参加しています。She Talks Silenceが陰のような美しいギターを奏でる一方で、The Morningsの”Fuji”は去年にリリースされた”Save The Mornings”に引き続き、彼ららしい作品。POP-OFFICE、New HouseやTacobondsなども参加していて、さすがだな、と言わざるを得ません。今まで紹介してこなかったExtrudersによる“Collapsing New Buildings”はミニマルで、呟くようなボーカルとギターの鋭いストロークが良い味を出しています。Puffyshoesも1分程参加しています。

“Dancing After 1 AM”が持つフックといえば、ニューウェーブ・デュオのMIRがこのアルバムでカムバックし、新曲を1曲提供しているという所。これからの活動も期待しているのですが、“Dance”は、このグループの過去のハイライトを5分でまとめたような曲になっています。シンセとビートが良いグルーブ感を出しているのですが、それだけで終わらないのがこのグループの強み。決してアップビートではない、ナイーブなボーカルが、この曲を独特にしています。このような悲しげな、かつアップテンポなダンスミュージックは中々探しても出てこないですし、巧みにひねりを加えた独特な楽曲が多いので、Dancing After 1 AM、オススメです。

List of where to buy the album here.