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Category Archives: Music @ja

New Picnicwomen: Super Freak EP

2012年に入って既に二枚のEPをリリースしているフットワークのプロデューサー、Picnicwomenが、続いて今年度三枚目を発表しました。”Super Freak”では新しい挑戦が聴ける訳ではないのですが、スピード感やスリリングなボーカルサンプルは健在です。”Again”はよりメローな方向性を模索しているのですが…結局は打ち込みのドタバタ地獄に突入し、彼の持つユニークなスタイルを主張しています。”Milk Man_s Wife”はエイフェックス・ツインの”Milkman“のカバーで、”I would like some milk from the milk man’s wife’s tits.” というフレーズが繰り返されます。試聴は以下から、購入はこちらから

Memory Girls To Release “Our Freedom, Our Darkness” On England’s Dufflecoat Records

インディー・ポップ・アーティストMemory Girlsによる”Our Freedom, Our Darkness”については、公開された2010年の6月に紹介させて頂きましたね。2年ほど経った今、なんとその曲がダブリンのThe Choir Invisibleとのスプリットとして、Dufflecoat Recordsからのリリースが決まったようです。なんで見つけるのにそんなに時間がかかったのかは分かりませんし、いつリリースされるのかも確かでないのですが、嬉しいニュースですよね。Dufflecoatのバージョンは確かに丁寧にプロデュースされているのですが、当時聴いた時と同じ気分にさせてくれます。「晴れた日にツリーハウスで聴くのに最適な、童心に戻らせてくれるインディー・ポップ」と紹介させて頂きましたね。

Rising Girls: CRUNCH And Jesus Weekend

2012年にインターネットで急速な成長を始めたインディーポップシーンは、男性アーティストによる男性の為のものになってしまっている。2ヶ月前のにJolie Joliを紹介させて頂いた時にそう書きました。でも10月になった今、女性中心のバンドが多くでてきて、良いバランスになってきたと感じてます。Jolie Joli、Old Lacy Bed、The HomecomeingsやFoodie等が登場したり、Les Glass GlaceやMemory Girls等の以前から存在したバンドも活躍が目立ちます。そして新たに2組のグループ、名古屋のCRUNCHと大阪のJesus Weekendがシーンにでてきてました。

CRUNCHは新参者というわけではないようで、ツイッターを見る限りでは2010から活動しているようです。なぜ今になって注目したかというと、今週SoundCloudを始めて、”Simple Mind”という曲をアップロードしたからです。今のシーンに上手くなじむこの曲は、他のバンドよりもマイナー調なのが特徴的で、ギターの奏でるエコーが美しいです。試聴は以下から。

大阪のJesus Weekendは本当の意味でのニューカマー。結成したばかりのこのグループは、来月にAno(t)raksからEPをリリースする予定みたい。今聴ける音源はかなりローファイなので、レーベルのカラーに合わせてどう磨きをかけるのか、楽しみです。アコースティックギターの目立つシンプルな構成の”Puberty Bell”は、音質のクオリティの悪さも気にならないような愛らしい曲になっています。試聴は以下から。

New De De Mouse: “Floats And Falls”

“Restraint”(制御)という単語をDe De Mouseと結びつける事などないと思っていました。彼の音楽は通常、ボーカルを切り刻み、その切れ端をスピード感のあるビートの上に乗せるようなスタイル。任天堂DSの音楽ゲームだったら最大級の難易度ですね。ドラムンベースの影響が薄い曲に限っての話ですが。新作Sky Was Darkからの曲、”Floats And Falls”は何と9分もあるのですが、今回はただ速いだけではありません。逆にスローなこの曲では、シンセが上手く曲を展開させて行きます。ボーカルのみにスピード感があります…というよりは、跳ねるようなスタイルがそう聴こえさせるのかもしれませんが。

“Floats And Falls”は5分が経過したその時点で既に完成された曲なのですが、それだけで終わらないのが今回の注目点。曲は不意に展開し、ビートが消えてボーカルとシンセのみのパートになります。その後も次々に新しい音色が加えられ、曲を終わりへと導きます。長くも飽きのこない、優れた工夫が施された作品だと感じます。De De Mouseの曲の中でもダントツで平和な、広々とした空気感を放っていて、彼の新しいスタイルを象徴した、新しい始まりを感じさせる曲になっています。ビデオは以下に。

New Eadonmm: “Alder”

INNITやIdleMoments等のイベントが象徴しているように、大阪のビート・シーンは非常に大盛況。Magical Mistakesの渦巻くようなサウンドや、Seihoの実験的なビートは、とてもユニークなのと同時にグルーブ感もあります。でも、”Alder”はそのような曲がブラックホールに吸い込まれたかのような印象。IdleMomentsをオーガナイズするEadonmmによるこのトラックは、極めてテンポを抑えた、スローな楽曲。ゆったりと始まり、アンビエントな空気感を堪能しているその時に、ピークを迎えます。シンセサイザーによる壁のようなレイヤーが左右にパンし、異なるテンポのボーカルが、それぞれ違うピッチで奇妙なデュエットを奏でます。ダンスフロアには不向きかもしれませんが、それ以上に、独特な音世界を堪能する事が可能。試聴は以下から。