Music

  • New House Of Tapes: Trip Science

    名古屋のHouse Of Tapesのデビューアルバム”Trip Science”はとても奇妙で、初めて聴く時は少し戸惑うかもしれません。皮肉でも何でもないのですが、この激しく至って暗いサウンドは凄く独特なのです。House Of Tapesの音楽はいつでもまるで耐重力訓練のようで、Gasper Noeの映画を全て通して観ているようなダンス・ミュージック。単純に”House”とカタゴライズできる程シンプルでないのです。 でも”Trip Science”はアルバムとしての完成度が高い事は確かです。“Chaos Tape”に使われたチャイムの音が繰り出す美しくポップな不気味さはHouse Of Tapesらしいギミックですし、“Faint Light”での激しいビートや打ち込みはまるでブラック・ホールに吸い込まれて行くような感覚。去年リリースされた“Starting Point”や分かりやすいタイトルの”Noise Attack”は未だに新鮮さを失わず、アルバムにも違和感無く収録されています。凄く挑戦的な音楽ですが、聴くのは決して挑戦にはなりませんよ。ダウンロードはこちらから。

  • New Picnic Women: II Women EP

    Picnic Womenがやってくれました…いや、良い意味でね!彼の最新EP”II Women”のタイトルトラックは、その名の通り、とてもユーモアのあるジュークになっています。この曲ではMariah CareyとBoyz II Menの “One Sweet Day“が使われていて(特にBoyz II Men)、ピッチが下げたり上げたりされています。でも、この”II Women”はただ単に面白いトラックというだけでは無く、Picnic Womenならではの繊細さが光っています。バックで見え隠れするギターがその巧みなギミックのうちの1つで、そのような細かいディテールが、この少し茶目っ気のある曲を音楽としての完成度の高い作品へと変貌させています。更にこのEPは”African”という”II Women”の中だけでなく、Picnic Women史上で最速の曲も収録。Picnic Womenの素晴らしいジューク・コレクションはこちらからどうぞ!.

  • Transitory Splendor: Submerse’s “Algorithms And Ghosts”

    It is a soundtrack made for commuting between different places in large urban spaces, filled by swarms of people shoaling and funneling across intersections, subway stations and central hubs like corpuscles pulsating in the cities veins, conducted by invisible algorithms in the symbiotic superorganism that is a metropole. とは、Submerseによる自身がリリース予定の新EP、Algorithms And Ghostsの解説。人の多い忙しい街を行き来する時に聴いてほしいとの事。 初めて東京に訪れた人は誰でもきっとわくわくするはず。ネオンは四六時中光り輝き、人々は止まる事なく地下鉄を乗り換えて行きます。入り組んだ街並みからは、きっと路地裏やビルの陰に色々な物が隠されているに違いない、と思いますよね。でもそんな感情も長く住むにつれ薄れていく気がします。アパートを借りたとたんに、どこにでもある街へと突如変貌する恐れも。 Submerseというアーティストはイギリス出身で、今は日本に住みつつ、日本の首都”東京”から影響を受けたという新EP、Algorithms And Ghostsを準備しています。タイトル・トラックによると、彼はまだこの街からインスパイアされ続けてるみたいです!Burialがこの街を寂しい孤独な場所として表現しているのとは正反対で、Submerseの“Algorithms…

  • Get Elen Never Sleeps’ New EP Silver Now

    東京のElen Never Sleepsは、4枚目となる”Silver EP”からいくつか曲をプレビューとして発表してましたね。ついにこの7曲組が無料ダウンロードか限定版カセットとして入手可能になりましたよ。“Silver”や(特に)“Shine On Me”など、素晴らしいトラックと共に、Taquwamiによるリミックスなんかも収録されています。日曜日にElenから嬉しいプレゼントが届きましたね。 別のニュースになりますが、Wild Nothingがこの春に来日するそうです。もしElen Never Sleepsをオープニング・アクトにしようと考えている人がいないなら…これから何を信じていけばいいやら。

  • New Sakanaction: “Music”

    サカナクションは1月23日発売のニューシングル、”ミュージック”にて、彼らの原点を少し振り返っています。ボーカリスト山口一郎のバースでの声の伸ばし方はまるでシングル”エンドレス”のようで、曲の後半で感情がぐっと込み上げてくる感じは”モノクロトウキョー”の世界観。でもアイディアが尽きたとかそういう意味ではなく、彼らが本来持っていたコアな部分を大事にしつつ、新しい事にチャレンジしています。構成も美しく、最初は山口のボーカルをセンターに配置した寂しい雰囲気で始まり、徐々にバンドがスペースを埋め、コーラスで感情は頂点に。度々言いますが、サカナクションが日本のメインストリームで飛躍していく姿を観れて本当に光栄です。試聴はこちらから。