New House Of Tapes: Trip Science

名古屋のHouse Of Tapesのデビューアルバム”Trip Science”はとても奇妙で、初めて聴く時は少し戸惑うかもしれません。皮肉でも何でもないのですが、この激しく至って暗いサウンドは凄く独特なのです。House Of Tapesの音楽はいつでもまるで耐重力訓練のようで、Gasper Noeの映画を全て通して観ているようなダンス・ミュージック。単純に”House”とカタゴライズできる程シンプルでないのです。 でも”Trip Science”はアルバムとしての完成度が高い事は確かです。“Chaos Tape”に使われたチャイムの音が繰り出す美しくポップな不気味さはHouse Of Tapesらしいギミックですし、“Faint Light”での激しいビートや打ち込みはまるでブラック・ホールに吸い込まれて行くような感覚。去年リリースされた“Starting Point”や分かりやすいタイトルの”Noise Attack”は未だに新鮮さを失わず、アルバムにも違和感無く収録されています。凄く挑戦的な音楽ですが、聴くのは決して挑戦にはなりませんよ。ダウンロードはこちらから。

New House Of Tapes: “Noise Attack”

最近ツイッターで、ダンスミュージックに踊る事とセックスする事意外の目的を求めるのはおかしい、みたいな内容の投稿を見ました。でも、全てがそうというわけでは決してないです。名古屋のHouse Of Tapesも勿論違った目的を見いだしていて、彼等の新曲、”Noise Attack” はその名の通りすごく細かいディテールが詰め込まれていて、取っ付きにくさは否めないものの、それを理解するためについつい何回もリピートしてしまう、中毒性のあるトラックです。別の新曲”For Rainbow“はミニマル・ハウスのような、実験性があまり聴けない曲なのですが、”Noise Attack”のインパクトはやっぱり強烈な物があります。テレビのノイズのようなサウンドで始まり、曲を通して大部分にそのノイズがバックグラウンドに存在しています。その次に入ってくるのが良い意味で気持ちの悪いシンセで、ビートがそれに続いて入ってきます。そして、違うリズム感を持つ同系等のシンセが入ってきて、曲のムードが予想以上に不快に展開していきます。決して尖っているわけではなくどこかスムーズで、どことなくギャスパー・ノエの映画のような雰囲気を持ったこの曲は、きっと病み付きになるでしょう。視聴は以下から。