“Restraint”(制御)という単語をDe De Mouseと結びつける事などないと思っていました。彼の音楽は通常、ボーカルを切り刻み、その切れ端をスピード感のあるビートの上に乗せるようなスタイル。任天堂DSの音楽ゲームだったら最大級の難易度ですね。ドラムンベースの影響が薄い曲に限っての話ですが。新作Sky Was Darkからの曲、”Floats And Falls”は何と9分もあるのですが、今回はただ速いだけではありません。逆にスローなこの曲では、シンセが上手く曲を展開させて行きます。ボーカルのみにスピード感があります…というよりは、跳ねるようなスタイルがそう聴こえさせるのかもしれませんが。 “Floats And Falls”は5分が経過したその時点で既に完成された曲なのですが、それだけで終わらないのが今回の注目点。曲は不意に展開し、ビートが消えてボーカルとシンセのみのパートになります。その後も次々に新しい音色が加えられ、曲を終わりへと導きます。長くも飽きのこない、優れた工夫が施された作品だと感じます。De De Mouseの曲の中でもダントツで平和な、広々とした空気感を放っていて、彼の新しいスタイルを象徴した、新しい始まりを感じさせる曲になっています。ビデオは以下に。