今週末にブルックリンでコンサート(8月24日Knitting Factory そして8月26日にGlasslands Gallery)が行われるホテルメキシコですが、初の海外ショウに向けてのインタビューを行いました。 MBM: ホテルメキシコは今週末初めての海外のショウを行いますがどの様に準備を進めてきましたか? 伊東: ライブの準備はリハーサルを重ねていますが、今まで以上のことを出来るとは思っていないのでいつもの練習と同じです。渡航自体の準備の方が大変です。今まで機材を持って飛行機移動なんてしたことが無いので機材をどう運ぶかについて考えないといけなかったし。 MBM: ニューヨークでのコンサートはたのしみですか? 海外のショウという緊張感はありますか? 伊東: とても嬉しいです。去年から、そろそろ海外でやっておかないといけないだろうという話はメンバーでしていたので、やっと実現できるのが嬉しいです。本当はLAやサンフランシスコといった西海外の町にも行きたかったけど、スケジュールの都合でNYだけになってしまったのは残念です。今までも、今回のアメリカでのライブ決定の発表後も、「こっちに来てライブやってよ!」というメッセージをもらうのは大体西海岸に住む人たちからなので。でもNYだけにはなってしまったけど、普段自分たちの聴いているアーティストがライブをしているハコなので、そういう所で出来るのは驚いたし嬉しいです。もちろん初めてなので不安も大きいです。会場に入ってからライブが終わるまでどういう時間の流れでそれが日本と同じなのか違うのかも分からないし。機材のことが一番心配です。楽器や機材の準備についての環境が日本と海外では全然違うので。これはライブが全部終わるまで心配し続けると思います。 MBM: ホテルメキシコのショウはこれまでどういう風に変化してきたのでしょうか? 伊東: 今まで5人でやっていたのがこの春から6人になったのが一番大きい変化だと思います。結成当時からメンバーは6人ですが。曲の構成も時々変えているのでそれも変化だと思います。曲を繋いで演奏するようになったのもここ1年くらいだと思うので。今まで東名阪+京都くらいでしかライブしたことなかったんですが、この春に岡山・広島でやったくらいからその他の地域からも声をかけてもらえるようになって、今後も静岡・島根・広島が決まっています。こうやって今までやったことが無い場所で出来るようになってきたのは大きい変化だと思います。 MBM: ホテルメキシコの拠点は京都ですが、地元でのコンサートはどの様な感じでしょうか? 伊東: 京都は本当に楽です。家も近いし。一番典型的なのはMETROでやるSecond Royalだと思います。自分たちの所属するレーベルのイベントなので、同じようにSecond Royalに所属するバンドやDJとゲストが出演してやります。よく会う人たちが多いので、音楽の話にもあまりならないし。普段の生活の中の話とか笑い話とか。 ほとんどMETROで時々nanoでやりますが、どちらもバンドとハコがお互いに知ってるのでやりやすいです。そうやって安心しきっていると時々大失敗しますが。 来てくれるお客さんの多くはイベント友達です。自分で何かイベントをやっている人たちとそういったイベントによく行っている人たちです。外国人のお客さんもいつも数人は入っています。METROなんかは有名なハコなのでそのせいもあると思いますが。最近は初めてのお客さんもちょっと増えたかもしれません。 MBM: バンド結成の経緯を教えてください。 伊東: 僕らは全員同じ大学の出身で、年齢はバラけてますが全員同じバンドのサークルにいて学生の頃からの知り合いです。学生の時はこのメンバーでバンドを組むということはなかったですが、卒業してしばらく経ってから、何かやろうかといって伊東・石神・菊池・岩本が集まりました。2009年の春くらいから曲を作り始めて、2010年の年明けに初めてライブをしました。ライブをやるにあたって水島・小林が参加してこの6人になりました。 MBM: ホテルメキシコの三人は僧侶とお聞きしています。それはどの様にバンドに影響しているのでしょうか? 石神: バンドがやっている音楽性と宗教は関係ありません。歌詞には自分の宗教観が出ている部分もあるだろうと思います。宗教と言っても特定のものではないです。世間一般の日常生活の中の行動にもいろいろな宗教に基づくものはあり、そういった事を捉えて比喩的に歌詞の世界観に取り入れている部分はあると思います。僕個人の解釈として、宗教とは思想が先行して生み出されるものではなく、人間の行動や経験によって生み出されるものだと思います。そういう意味では何か特定の宗教にインスパイアされてホテルメキシコをやっているのではなくて、僕らの音楽を聴いた人が新しい価値観を感じるならホテルメキシコという行動が新しい宗教であると捉えることも出来るかもしれません。また、自分が置かれている宗教者という立場からの解放がホテルメキシコかもしれないとも思います。 MBM: 一般のサラリーマンの方達と僧侶の方達、どちらの方がスケジュールを組みにくいと思いますか? 伊東: 僧侶のスケジュールは盆暮れ正月が一番忙しい時期なので絶対にNGです。その他にも行事があって忙しい時がありますが。逆にサラリーマンは盆暮れ正月に大きな休みがあります。なので全員が動ける日程を考えると普通の週末になります。大きなツアーなどは組みにくいです。 MBM: 最後にどういう音楽に影響されていますか?日本の音楽のみ聴く人たちと海外の音楽だけを聴く人たちに境界線があると感じるのですが、どう思いますか? 日本の音楽と海外の音楽どちらをより聞きますか? 伊東: 他のindieと呼ばれるバンドもそうだと思いますが僕らはgood pop musicをやっていて、それで踊って楽しんでもらえたらと思っていて、indieかどうかというのはあまり関心がありません。聴いているものは世間的にindieと呼ばれるものが多いですが、それはそういった音楽の方がedgy, weird, dark, noisy, explosive, dance, classicなど他にも色々ありますがそういった色んな要素がpopさを産んでいて面白いからです。そういった要素がありながらキャッチーでやっぱりpopであるというのがカッコいいんだと思います。ただ単に聴きやすいというだけではおもしろくありません。そういう点から今の音楽だと圧倒的に海外の音楽の方がよく聴いています。日本の音楽はchart musicには聴きやすいだけのものが多いし、undergroundにはpopさの無い音楽が多いし。どちらも暗いかバカ騒ぎかの両極で普通に明るくて爽やかな曲が少ないとも感じます。よく、瑞々しさが無いなと感じます。僕たちの親の世代が聴いていたような音楽だったら日本のものもよく聴いていると思います。