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Category Archives: Music @ja

New Magical Mistakes: “Always At The Best Part”

Eric LuebsによるMagical Mistakesが、最近リリースしたフルレングス作品、”Everything Uncertain”で、ダンスとサイケデリックの境界線をぶち破ってくれました。ビートミュージックからの影響だけではあり得ない奇妙で個性的なサウンドは、不思議な魅力で聴き手を誘惑します。最近早くも新曲、”Always At The Best Part”をSoundCloudで公開しているのですが、先程紹介した作品とは全く違う印象。彼のFacebookによると、結構前から手掛けていたみたいなのですが。ボサノバ調なこの曲はふわっとした空気感をバックに持ちつつも、ギターやビブラフォンのソロが暖かさを加えています。”A groovy one for swaying with drinks in hand”とは彼の解説で、その通り、飲みながらゆったり聴きたい曲に仕上がっています。試聴は以下から。

New Les Glass Glacé: “Sixpence Might Change Your Whole World”

大阪のインディーポップ・トリオ、Les Glass Glacéが、繊細かつ軽快な2曲をネットで公開しました。個人的にはハイライトな、”Sixpence Might Change Your Whole World”では、”ex-boyfriend couldn’t understand/ sixpence might change your whole world”という可愛らしい歌詞にそぐう、淡くポップなシンセを堪能できます。暖かい雰囲気は、曲の流れに沿ってさらにアップビートに。一方で、”Cute And Reliable”はどちらかというと取っ付きにくい印象。よりミニマルでスローなこの曲では、”he’s a really nice guy/let’s go see him”という歌詞のように少し現実的すぎるかも。でもリラックスしたこの曲に始まり、”Sixpence”が次に来ると考えると納得です。視聴は以下から。

Soft As Snow But Warm Inside: “Vogue”

“Soft As Snow (But Warm Inside)”は1988年にリリースされたMy Bloody Valentineのデビュー作、”Isn’t Anything”のオープニング曲。そんな名前を持つバンドが登場しました。シューゲイザーを連想せずにはいられなかったのですが、ボーカルがミックスの奥に配置されている事以外、ケヴィン・シールズのバンドとはあまり共通点は見受けられません。デュオの記念すべき一曲目、”Vogue”では、そんなSoft As Snow But Warm Insideの個性が発揮されています。ギターは陰に潜み、代わりに幻想性を持つシンセや、ハードなドラムマシーンの音色が目立ちます。ボーカルも美しく、”one fine day, 1969/I said goodbye to all the world”という歌詞や、宇宙飛行士の喋りがサンプルに使われている事からもわかるように、宇宙旅行がテーマになっています。Soft As Snow But Warm Insideはバンド名ゆえの期待感を上手く裏切り、誰を真似する訳でなく、独自な世界観を表現しています。視聴は以下から。

New For Tracy Hyde: Juniper And Lamplight EP

For Tracy Hydeについて初めて知ったのは、BOYISHと共にスプリットEPを出した時。その軽快なギター・ポップは、もし今が80年代ならば、Sarah Recordsが大きく取り上げていた事でしょう。For Tracy Hydeの今までの作品は、他の日本インディーポップアーティストと似た音楽性を持ちつつも、日本語で歌う事で、WallflowerともBOYISHとも異なる響きを鳴らしていました。彼等のデビューEP、”Juniper And Lamplight“は、”A Clockwork Lemon”で聴けるような、陽気で明るい雰囲気に満ちています。”First Regrets”ではシューゲイザーからの影響も。

今回の作品では更に他と差をつけるべく、インディー・ポップらしかぬ曲も。”Shady Lane Sherbert”なんかでは大胆不敵にもギターが取り除かれていて、代わりにシンセが鳴り響いています。チルウェイブの影響を取り入れ、上手く再構築されています。ふわふわしたボーカルとゆったりとしたテンポから繰り出される独特な空気感は、”Juniper And Lamplight”以外からは聴けないでしょう。最後の曲、”₀oOℑ ∪╹ω╹∪ℜ (Delikate Dawgz)”では、うねる電子音の上にボーカル・サンプルが浮いているかのごとく配置されていて、更に衝撃的。奇妙なエンディングですが、For Tracy Hydeが次にどんな挑戦をするのか、とても興味をそそられます。ダウンロードはこちらから、視聴は以下から。

Shokuhin Maturi A.K.A Foodman: “Tantei Kun”

日本のジューク/フットワークって聞くと少し取っ付きづらいイメージがありますが、”Japanese Juke & Footwork Compilation“というそのまんまのタイトルのコンピは、シーンの入門にはうってつけ。様々なプロデューサーが、多彩なアプローチでこのシカゴのジャンルに挑戦しています。でも45曲も収録されているので、もっと手軽にジャンルを知りたい場合は、食品祭り A.K.A. Foodmanの新曲、”Tantei Kun”がオススメ。切り刻まれたサンプルはジャンルの特徴を上手くとらえているのですが、テンポは比較的ゆったりぎみ(的確なのが聴きたい場合はPicnic Womenとか、アメリカのTraxmanをチェックして下さい)。でも、ソフトロック調の心地よさは素晴らしいです。視聴は以下から、もし気に入ったら、45曲のコンピにも挑戦してみて下さい。