
神戸のtofubeatsはトラックメイカーとして数々のリミックスやオリジナル作品を手がけてきました。今年2012年は今までとは少し違い、プロデューサーとして、数々の面白い挑戦をしています。ラッパーのオノマトペ大臣と共同で数々の強力なトラックを作り出したり、J-Popのシーンにも関わったりしていました。Yukiの曲のリミックスや、lyrical school(改名前はtengal6)への楽曲提供などがハイライトでしょう。でも、そのような活動をする中で、ついに傑作”Summer Dreams”をリリースしました。
今回リリースされた9曲は、一直線なビートとラップが印象的な、プロデューサー中心のトラックに、カット&ペーストスタイルでボーカルのサンプルが使われています。今までの曲のように、ゆるい感じの物が多く、ホーンなどが使われている”poolside”のような、レイド・バックな曲が印象的です。In My Room” と”Synthesizer”も同じような雰囲気で、みんなで歌えるような曲なのに、決してそれだけでは終わらせないのが面白いところです。”In My Room”を例にあげるならば、ボーカルに一ひねり加えられていて、声が陰に隠れ、ダークな印象を生み出しています。”Synthesizer”ではボコーダーが使われ、ゆったりとした印象を強めています。
このようにtofubeatsはボーカルに多くの工夫を加えています。主に、ボーカルのサンプルを速めるという手法が使われています。”Killing Me Soft Cream” “Sweat N Dry” (AxeのCM曲) と “Work Shit”にもそのような手法が使われているのですが、Taquwamiの新しいEP、”Blurrywonder”と共通点があるように感じます。でも、tofubeatのほうがシンプルかつミニマルで、繰り返しが多いような印象です。(Work Shitを除く)。この3曲が新しいアルバムのなかでも特に傑作と言えるでしょう。購入はこちらから、視聴は以下から。