New LLLL: Mirror

東京のデュオ、LLLLの楽曲には良い意味で不穏な空気感が漂っています。セルフ・タイトルのデビューアルバムも、続くシングル”Spider Web/Drafting Still“も、何かが陰に潜んでいるようなスリルを感じさせてくれます。今月リリースされたデュオの最長作品、”Mirror”というミニアルバムでは、目の回るようなサウンドがさらに強調されていて、それでいて今までの作品よりもポップさが増しています。一曲目の”Oddness”のイントロでフィーチャーされているシンセからすでにホラー・映画のような雰囲気が感じられ、後に出てくる音色も、スピード感に変化を与えていたり、曲に深みを足しています。色気のあるボーカルも上手く抜けていますし、曲をキャッチーで聴きやすい物にしています。

次の曲、”I Wish You”は、ボーカルの処理の仕方や、それに絡むダンス・ビート等、構成がスウェーデンのザ・ナイフを彷彿とさせています。このグループもエレクトロ・ポップをダークな新しい物にしているので、共通点が多く見受けられます。”Mirror”に収録されている他の曲も、安定してポップかつキャッチーで、それに加えられたダークさがLLLLの最大の武器かつ個性で、作品に深みを与えています

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New LLLL: Mirror

A sense of unease has run through all of LLLL’s music up to this point, the pop-appropriate flourishes of the Tokyo duo’s self-titled debut and the follow-up “Spider Web/Drafting Still” single always undercut by a creeping sense of something lurking in the shadows. Mirror, LLLL’s longest release to date, also happens to be its most dizzying, a mini-album where the strangeness of past releases sounds more linked to the pop than before. The appropriately titled opener “Oddness” establishes the prevailing mood quickly – the intro synths sound like they could have come from a slasher flick, and then more electronics rush into the song. As the song progresses, sound speed up and slow down unpredictably – even the glossy vocals, usually untouched, go through the wormhole. It’s manic and twisty – but also still catchy.

The next song, “I Wish You,” reveals another great duo operating in the same mindset as LLLL. The way the song manipulates the vocals while setting it up against what could be called a dance beat brings to mind Sweden’s The Knife, another group warping electronic-pop music into sinister new shapes. So the rest of Mirror goes – the songs maintain a pop edge but carry a darker tone that lend these tracks extra depth. Get it here, or listen below.

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