Make Believe Melodies Logo

Category Archives: Music @ja

New Cloudy Busey: “havUever”

「自分が歌うつもりが無い曲を書くのにいつも罪の意識を感じてる。」と語るのは、Cloud Buseyことボブ・ワイリー。Lights + Musicにて新曲、”havUever”について解説しています。この曲はジャスティン・ビーバーの曲にしてもいいんじゃないか、と言い、もしジャスティンが見つけたなら提供する、との事。確かに”havUever”の輝くようなシンセとビートは、ジャスティンのボーカルが際立つような物になっています。

でもまあ”havUever”にはボブのボーカルが一番しっくりくると思います。ビッグネームのポップ・スターが歌ったらまた違った物になるんじゃないかな。Cloudy Buseyのトラックでもそうですし、特にIce Cream Shoutの”Tattooed Tears“なんかでは、ボブのボーカルは心に触れてくるような、暖かい真心を感じるような物では決してないものの、現実的で冷ややかなその表現は、同じような経験を持つ人から、より大きな共感を得られるでしょう。Cloudy Buseyの新作からも分かる通り、ボブのボーカルはどんどん説得力を増していてます。ジャスティン・ビーバーが歌っても良いのかもしれないけれど、ボブの歌う”havUever”は、独自の美しさで溢れています。

New LLLL: Mirror

東京のデュオ、LLLLの楽曲には良い意味で不穏な空気感が漂っています。セルフ・タイトルのデビューアルバムも、続くシングル”Spider Web/Drafting Still“も、何かが陰に潜んでいるようなスリルを感じさせてくれます。今月リリースされたデュオの最長作品、”Mirror”というミニアルバムでは、目の回るようなサウンドがさらに強調されていて、それでいて今までの作品よりもポップさが増しています。一曲目の”Oddness”のイントロでフィーチャーされているシンセからすでにホラー・映画のような雰囲気が感じられ、後に出てくる音色も、スピード感に変化を与えていたり、曲に深みを足しています。色気のあるボーカルも上手く抜けていますし、曲をキャッチーで聴きやすい物にしています。

次の曲、”I Wish You”は、ボーカルの処理の仕方や、それに絡むダンス・ビート等、構成がスウェーデンのザ・ナイフを彷彿とさせています。このグループもエレクトロ・ポップをダークな新しい物にしているので、共通点が多く見受けられます。”Mirror”に収録されている他の曲も、安定してポップかつキャッチーで、それに加えられたダークさがLLLLの最大の武器かつ個性で、作品に深みを与えています

Ano(t)raks Release New Compilation Featuring Post Modern Team, The Paellas, Foodie And Many More

Ano(t)racksというレーベルはまだ新しく、あまり多くをリリースしていません。大阪のグループThe Paellaの前作EPのリリースが記憶に新しいのですが、先週、Soon V.A.というインディーポップのコンピレーションをリリースしました。これは注目すべきアップロードでしょう。最近どのようなアーティストがインディーポップシーンで活躍しているのか知る事ができるので、シーンに詳しくない人にとっては、知る良いきっかけになると思います。今年リリースされたMoscow Club周辺のアーティスト達によるコンピ、C86を賞賛するようなリリースですが、大きく異なる点があります。C86ではシンセサイザーを多用するアーティストが多かったものの、Ano(t)racksではそうでもありません。BOYISHの”Couldn’t Remember”はシンセサイザーが使われていますが、他の曲ではドラムマシンくらいです。ギター、ドラムとボーカルのみの編成の、イギリスのバンドに触発されたバンドが多いからなのかもしれませんね。参加している大阪のPost Modern Teamの”In The City”はシンプルかつキャッチーで、The PaellasとTwangy Twangyは自分達の個性をさらに追求しています。

さらに、Ano(t)racksは女性を目立たせているグループが多いと言えるでしょう。京都のHomecomingsの”You Never Kiss”では可愛らしい女性の歌声に鋭いギターを重ねていてとても美しい世界観を演出しています。このコンピのハイライトと言っても過言ではないでしょう。Old Lacy Bedの”Coastlands”はとても楽しく、 大阪のFoodieは愛らしいグルーブでアルバムを締めくくってくれます。ダウンロード、視聴はこちらから。

BOYISH Releases New Split EP With For Tracy Hyde, Check The Flower Pool EP Out Now

東京のインディ・ポップ・アーティストBOYISHは、とても忙しく充実した2012年を送っていますね。数々のシングルにスプリット・アルバムやカセット・アルバム、それに加えて多くのライブをこなしています。今週もCanata Recordsから新作EP、Flower Pool EPをFor Tracy Hydeとタッグしてリリースしていて、こちらから購入可能です。収録されている”Shadow Of You”はBOYISHの新曲で、レーベルのホームページでは、”ニュー・ウェーブの流れを汲んだ陰影のある”曲と表現されています。陰影というのは少しオーバーかもしれませんが、確かにSarah Recordsリスペクトだった今までの作品に比べてマイナー調で、囁くようなシンセの使い方はHotel Mexicoとも似ています。今までと変わらないのは呟くようなボーカルなのですが、その独特な距離感も、今回のような雰囲気にはとてもマッチしています。

比べてFor Tracy Hydeはもっと単刀直入です。”Her Sarah Records Collection”という曲なのですが、その名からとても想像しやすい曲になっています。日本語歌詞なのですが、今年はBOYISHを含め英語歌詞のバンドがインディ・ポップには多かったので、珍しいですよね。こんな感じに別の言語での挑戦はとても新鮮で、いつ聴いてもわくわくさせてくれます。視聴は以下から。

Tweekend Update: Wallflower, The Moments And More Put Together Sarah Records Compilation, Traffic Light Release Split EP With Saturday Looks Good To Me

大阪のSarahry Recordsが9月22日に境のパンゲア・カフェでイベントをやるみたいです。80年代にイギリスにあったインディ・ポップレーベル、Sarah Recordsに捧げるイベントで、大阪で注目を集めるギター・ポップバンドが数々出演します。コンピレーション・アルバムも発売される予定で、出演バンドの曲や、Sarah Recordから生まれた名曲などがカバーされ、収録される予定です。ネットにアップされているのも同じ観点から制作されていて、Wallflowerによるブライターの”Does Love Last Forever?”のカバーや、 Lilacによるヘブンリーの”Cool Guitar Boy”のカバーからは、ギター・ポップに対する愛や誠意が伝わってきます。でも、フィールド・マイスの”Emma’s House”はFandazeによってちょっと調節されすぎていて、テンポがゆっくりになってたりします。(私が一番好きなインディ・ポップの曲なのもあって)やっぱりオリジナルのほうがいいな、って思います。

ページへはこちらから。視聴は以下から。

他のニュースといえば、Traffic Lightが、長年続けられてるアン・アーバーのプロジェクト、サタデイ・ルックス・グッド・トゥー・ミーとスプリット・EPを出した事です。渋谷のViolet And Claireストアか、ネットでもこちらのサイトから購入可能です。現在視聴はできないのですが、ベテランと組んでのリリースはTraffic Lightにとって大きなステップなのではないでしょうか。