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Category Archives: Music @ja

New Shugo Tokumaru: “Decorate”

宅録ミュージシャンのトクマルシューゴが、2010年の作品”Port Entropy”に続くシングル、”Decorate”をリリースしました。今までの楽しいおもちゃ箱のような曲以上を望んでいる人にとっては期待はずれかもしれませんね。今回も、遊び心に満ちた曲に仕上がっています。ベル、木管楽器とアコースティックギターが曲の多くを占め、目覚まし時計のような茶目っ気のある音も面白いです。彼のスタイルは全く損なわれていないです。視聴は上から。シングルを購入すれば、トクマルシューゴによる、かつてMTVで大ヒットしたバグルスの、”ラジオ・スターの悲劇”のカバーも聴けます。シングルカットがどうなっているかは知りませんが、ライブバージョンは以下から視聴できます。

Deep Programming: mus.hiba’s “Magical Fizzy Drink” Featuring Yufu Sekka

研究の意味もあり、私は先週ボーカロイドのイベントに行ってきました。1つの部屋では様々なグッズが売られていました。CDがほとんどなのですが、ステッカーやバッジが売れ筋のようですね。別の部屋は大変混雑していて、DJ達が交代でスピンしていました。ほとんどの曲がボーカロイドを全面に出していて、スクリレックスのとうな曲にもポップさを加えられていました。少なくともこのイベントのアーティスト達はリード・ボーカルとしてボーカロイドを使うだけで、更なる工夫が必要なように感じます。

でも、東京のmus.hibaというアーティストは他のアーティストと違っていて、”Magical Fizzy Drink”という曲はとても興味深い物でした。雪歌ユフというボーカロイドを使っていて、それを前にプッシュするのではなく、あえてシンセやベースの後ろに陰のように存在させています。歌わせている、というよりは囁かせる、という使い方なのも印象的です。ウィッチ・ハウスのような音楽から聴ける使い方なので、とても驚いています。でもそれに加え、後半では8ビットも聞こえ、ギーキーな感じも残してあります。mus.hibaの”Magical Fizzy Drink”は、ボーカロイドを売られている基本的な使い方をせず、別の楽器として工夫して使っています。

Osaka Update:Yellow Print (Side-A) Compilation And Day Tripper X Astro Nautico’s 7 By 7

現在大阪で多くの素晴らしい音が誕生しています。今年の夏にも、現在の関西の音を象徴するといっても過言ではない、2つのコンピレーション・アルバムがリリースされました。最新のは”Yellow Print (Side-A)”で、”puredogma”からリリースされています。このアルバムを既に紹介しているブログ、Simon Saysによると、”puredogma”は、Solei Soleiいわく、”レーベルとかでは無くてこれを通してクリエイティブな事をやろう”というアイディアだそうです。Solei Soleiの”Olympic” は、ロンドンというよりはイビザのような雰囲気で、Outdoorminer(Cloudy Buseyの別プロジェクト)の “Love Has Them”は、現代版90年代アシッド・ハウスのようです。Okaryu、watervehicleとchiccamagicaも参加していて、魅力的なトラックで溢れています。ダウンロードはこちらから。視聴は以下から。

大阪のDay Tripperも、アメリカのレーベルAstro Nauticoとタッグして、”7 By 7″をリリースしました。このプロジェクトではAstro Nautico所属のメンバー7人が黒澤明の七人の侍をサンプリングし、日本人のメンバー7人も同様に、ジョン・スタージェスの荒野の七人をサンプリングしています。お互いのカルチャーを分かち合うという意味で面白いコンセプトだな、と思ったのですが…それだけではありませんでした。楽曲の出来映えも素晴らしく、映画の台詞もふんだんに聴こえてきます…もちろん二カ国から。ダウンロードはこちらから。視聴は以下から。

Mass Of The Fermenting Dregs Call It Quits, Release One Last Song “Tantantan”

Mass Of The Fermenting Dregsは9月1日、バンドのホームページにて解散を発表しました。リードシンガーの宮本菜津子によって発表され、彼女のこれからのソロ活動についても言及されています。本文にはMass Of The Fermenting Dregsの未発表曲、“たんたんたん”がプレゼントとして貼り付けてあり、こちらからダウンロード可能です

“たんたんたん”は、ここ数年のバンドのなかでも良質な音楽を生み出してきたFermenting Dregsらしい結論になっているな、と感じます。あまり勢いのある曲ではないものの、ゆったりとしたメローなテンポは、バンドの今までの曲を思い出させてくれます。色々脳裏に浮かびますが、特に2010年の作品、ゼロコンマ、色とりどりの世界は、その名の通り色あせない名盤です。最後の曲で宮本は声を絞り出すように歌い、攻撃的なギターと絡み合うのですが、決してやりすぎのないように、今までの通り上手く調節されています。

New Picnicwomen And Ahmad Jackson Jr.: Stylus EP

“Pppppppp-picnicwomen-women-women-women”という強烈なタグの曲。Picnicwomenがジュークにチャレンジし、今年のお気に入りの一つになりました。このプロジェクトの最新EP、Stylusには、 “Ripstick Girl”という曲意外に、同じKool Switch Worksのアーティスト、Ahmad Jackson Jr.の曲も含まれています。”Ripstick Girl”はゆったりとしたギターで始まり、攻撃的なマシンガンのようなビートに、ググっても探すのが不可能に近いマニアックなサンプルが乗っています。その後、曲はテンポが速まり、他の要素が入ってきたりして、複雑になっていきます。Ahmad Jackson Jr.の”Done For You”も面白く、ホーンがや、泡がはじけるような音がふんだんに使われ、ミックスの奥には、J. Dillaがやっていた事で有名なサイレン・サウンドが聴こえます。購入はこちらから