New Figure: Come Down EP

Figureというアーティストはご存知でしょうか?この日本アーティストのBandcampのページを見てみて下さい。情報量の多いサイトですよね。どうやらアメリカツアーをするみたい!…ってそれは違うFigureでしたね。同じ名前を使ったインディアナ拠点のビートメーカーがいるみたいです。でも日本のFigureも新EP、”Come Down”でもっと注目を集める事でしょう。

このEP以前のFigureはどんな感じだったかというと、Teen Runnings登場後からすでに数年間も日本のインターネットを埋め尽くしている、やかましくファズの掛かったベッドルームサウンドを奏でていました。その過去の作品達は、厳しく言えば録音のクオリティが低かったり、ノイズの実験のような作品ばかり。でも今回の”Come Down”では、そんな遊び心とフックのあるメロディーが上手く調和しています。嵐のような轟音もバランスよく効果的に感じられ、”Soft Path”なんかがその「グッドバランス」を象徴してるんじゃないかな。今まで同様、いかつい生楽器の音が大半を占めているものの、やわらかいキーボードや、ノイズをくぐって出てくるボーカルが見事(洋楽で例えるならDIIVでしょうか)。”Place”は幻想的な曲で、ギターやベースもその雰囲気を崩しません。一方で”Come Down”は逆に歪んだドラムが印象的で、キラキラしたキーボード(木琴みたいな音)が上手く混ざっています。Come Downは凄くスローな”My Side”で終わるわけなんですが、この曲はギターストローク、キーボードと淡いボーカルのみのシンプルな構成。驚くほどの成長を遂げたFigureの自信作を締めくくるにはもってこいの美しい曲です。試聴はこちらから

Similar Posts

  • |

    New Perfume: “Mirai No Museum”

    It’s tempting to excuse the relatively lukewarm “Mirai No Museum” because of its commercial obligations. This, maximalist-pop-trio Perfume’s newest single, serves as the theme song for the upcoming Doraemon film which seems to involve some sort of “future museum” (which is what you get when you translate the title). After a string of songs in…

  • New Shortcake Collage Tape: “✈Empire≈Beach☼”

    Shortcake Collage TapeのVHSに直接録音したようなサウンドがとても好みです。新曲”✈Empire≈Beach☼” は、過去の名曲”Polaroid Full Of Kisses“にファズのようなフィルターをかけて潰したような作品です。”Empire Beach”は南国風のヴァイブを持っていて、ビーチリゾートのプロモーションで使われていそう。特に印象的な瞬間は、1分40秒くらいの時にスムーズなジャズ・サックスが流れる時で、その穏やかな瞬間にいつまでも留まりたくなります。その後、アニメか映画のサンプルが呟き始め、曲の終わりとともに消えていき、最後に沖縄と囁きます。視聴は以下から。 あと違った意味で注目すべきは、一ヶ月くらい前にリリースされた”Meet Me In Your Dreams”で、これはとても笑わせてくれます。何が面白いかというと、この夏、YouTubeで動画を再生する際に頻繁に流れた、元SDN48の芹那ちゃんが出演していたコマーシャル、芹那 ザ ジレット ジェルジニーがサンプルネタになっているからです。何はともあれ、SCTが彼女の喋りを使って面白くユニークな作品を作ったのは素晴らしい事だと思います。

  • Plasticzooms Introduce New Project, Die Kusse

    By Daisuke Kikuchi ファッションと音楽は常にリンクしていて、数々のユニークなスタイルを築き上げてきました。スタッズだらけのライダースを着たパンクス達だって、当然その一例なのですが…彼等はそれをアンチ・ファッションと謳っていましたね。でも逆に、バンドがファッションに強いこだわりを持っていて、なおかつ自らの曲までファッションだと宣言していても、その信念は凄くパンクだなと感じます。そんなバンドがPlasticzooms、「ジャケット・パンツ・ブーツと同じ並びに僕たちの音は在る。音を服にコーディネートして欲しい。」とは、9月にリリースされた彼等の新しいプロジェクト、Die Kusse(ディーキュセ)のコンセプトからの一文。3枚のシングル”Full Moon”、”Rubbers”と”Bye. Bye.”にはそれぞれ洋服のタグが同封されていて、かれらのファッションに対する強いこだわりを象徴しています。 Plasticzoomsのダークなメイクや真っ黒なファッションからは、ザ・キュアーやスージー・アンド・ザ・バンシーズ等、ニューウェーブ/ポスト・パンク時代のバンドへの愛が感じられます。楽曲も同様で、”Full Moon”もそのような影響を基ににし、新たな挑戦を加えた傑作と言えるでしょう。キリング・ジョークがシューゲイザーに挑戦したかのような雰囲気を持つこの曲では、シャープなギターが陰のような渦巻くバックグラウンドを切り裂き、スリリングな空気感を生み出しています。様々なドラムパターンがスロー・テンポの曲に展開を加え、飽きのこない多様性のある物にしています。複雑なリズム構成のアルペジオ・パートは必聴です。でも、他の2曲は打って変わってアップテンポ。”Rubbers”はポジティブ・パンク全開なナンバーで、”Bye. Bye.”は前作”Starbow”の収録曲、”Scent”のような、疾走感のあるバラードです。”Bye. Bye.”のシングルには現代音楽家、中村益久さんによるリミックスも収録。デジタルとアコースティックが共存した壮大なサウンドは、Plasticzoomsとは異なるタッチで手がけられていますが、異なるバックグラウンドを持つアーティストとも積極的にタッグを組む、彼等の音楽性の広さを象徴しています。トレイラーは上に、購入はFile-Under Recordsから。

New Figure: Come Down EP

Poor, poor Figure. Take a glance at the Japanese artist’s Bandcamp page and you’ll see something jarring – along the right-hand side are tour dates, and it seems Figure will be touring all around the United States this fall. Alas, wrong Figure – turns out there is an Indiana bass-music maker sharing the name. Yet Japan’s Figure deserves more attention now…maybe not quite a foreign tour…after releasing the Come Down EP, a bit of an artistic breakthrough for the project.

Prior to this EP, Figure was one of those post-Teen Runnings groups recording loud, fuzzy songs from the comfort of their bedroom, the sort that have dominated the Japanese music web scene for a couple years now. Figure initially sounded a bit underdeveloped – early tracks seemed more like noisy experiments rather than actual songs, poor recording quality also hurting the final product. Yet Come Down finds just the right balance between menace and melody, Figure finding out how create engaging music using limited resources. The music is still loud, but now the guitar squall hides clear and lovely songs. “Soft Path,” which has been floating around for a bit, illustrates this new found balance – the instrumentation dominates the song, but Figure includes softer touches like keyboard while the vocals try to peak through the noise (if you need a Western comparison, think DIIV). “Place” enters dreamier territory, never letting the guitars or bass disrupt the heady feel, while “Come Down” makes distorted drum beats and twinkly keyboards (or is that xylophone??) coexist together. Come Down ends with “My Side,” a seasick slow song that is nothing more than some strummed guitar, piano and some hushed singing. It’s a gorgeous end to an EP that shows Figure has made a jump forward. Listen here.

Similar Posts