東京の若きトラック・メイカーTaquwamiは、数々の宅録作品を、SoundCloudやBandcamp等のサイトを通して、インターネットで広めています。そんな彼が先月、待望のファーストEP、Blurrywonderをオンラインのレーベル、Void Youthからリリースしました。さらに、Nadjaの曲、”Life & Limb”のリミックスを手がける等、活動の幅も広がってきています。
そして来月、10月12日には、エレクトロ・アーティストのクラークとラパラックスとの共演が決まっています。彼のキャリアにおいてとても大きなイベントになるでしょう。
Make Believe MelodiesはTaquwamiに新作Blurrywonderについて、そしてインターネットとタイム・トラベルについて聞いてきました。
MBM:いつ宅録をはじめましたか?なぜ音楽を作る事に興味をもちましたか?音楽を作ろうと思った瞬間などあれば教えてください。
TAQUWAMI: 2011年の1月頃です。それまではバンドをやっていました。一番最初に音楽を作ることになったきっかけは、高校生の時に文化祭でコピーバンドをやってからです。多分。今の音楽をやることになったきっかけは一人でやった方が早いし純粋にやりたいことだけやろうと決めたから。それとWashed OutやToro Y Moiを聴いて、Chillwaveを知ったことも大きな理由の一つです。
MBM: タクワミさんの作品の多くはサウンドクラウドもしくはBandCampからのリリースになっていますがこれの意図は?
TAQ: うーん、音楽の内容だけじゃなくてトータルで見られたいからですかね。ジャケットやデザインはもちろんですけど、音源をアップする場所やブログなどで使用するドメインでもダサい/ダサくないがあると思っているので。
MBM:タクワミさんのオンラインの楽曲に対する反応はいかがですか?どういうオーディエンスが聞いていてどういう風にタクワミさんの音楽をみつけていますか?
TAQ: 批判を受けるほど大きい存在でもないので見える範囲での反応は良いですけど笑。割合的には国外の人の方が多く聴いてくれている気がします。日本で聴いてくれている人は知り合いの知り合いくらいで留まっているんじゃないでしょうか。最近はSoundCloudやBandcampが一般的なウェブサイトになりつつあると思うので僕を見つける人はそういうところでdigっている人じゃないかと思います。
MBM: くのアーティストが1曲単位でインターネットにアップする事が多いのですがタクワミさんの作品の多くはEPなどのパッケージをとっています。これの意図はなんでしょうか?
TAQ: そうですか?あんまり考えたことがありません。リリースしたい曲をリリースしたいタイミングでリリースしたい場所でリリースしたい形でリリースすることしか考えてないです。
MBM: タクワミさんの新しいEPBlurrywonderは新しいレーベルYOUTHVOIDからのリリースとなっています。これはどのような経緯できまりましたか?
TAQ: Void Youthです…。Void Youthはlabelというかcollectiveでもあって、発起人はカナダのトラックメーカーのHollow Pigeonsです。僕が参加してリリースすることになったのは彼に誘われたからです。同じくカナダのRuddypも参加する予定だって言われて。二人とは以前から交流があったので特に迷うことなくokの返事をしました。
“You R Everything” From Blurrywonder
MBM: Blurrywonderへの反応は如何でしょうか?
TAQ: 自分が想像していたよりは正直大きくなかったです。やっぱりミックスやマスタリングでかなり未熟な部分があるのでそこを改善しないと大きくは突き抜けないのかなと思ってます。もちろん曲もまだまだですけど、特に技術面やアイデア/イメージを具現化する力が弱すぎるので。でもそういう部分を差し置いても良いと言って聴いてくれる方がたくさん増えたので本当に感謝しています。
MBM: Blurrywonderのテーマは愛だとお聞きしましたがレコーディングを始めた時点では明確なテーマななかったと伺っています。この過程について詳しく教えてください。
TAQ: いやー本当適当なので掘り下げても何も出てこないですしただの後付けです…。epを作るにあたって曲をいくつか作って残った5曲のタイトルを並べてみたら、”ああこれは愛だね”って苦笑いして決めただけです。歌詞があれば相当テーマにこだわって詩的なものにするんでしょうが言葉がないので音のイメージだけで適当に決めてます。でもこれからは詩的にしようと今決めました。
MBM: Blurrywonderを聴いていた私の感想なのですが、ボーカルのサンプルが多くの曲のムードを決定付けているようにおもいました。ボーカルサンプルの例えOhhloverでは喜びに溢れているような雰囲気、Attractionでは官能的な印象をうけます。どういう風にボーカルのサンプルを選んでいますか?特に気にして選んでいる様な物があればおしえてください。
TAQ: 好きな曲を自然と選んでいると思います。元の曲が良くないとやっぱり気分ものらないですし。ムードとかはあんまり気にしなかったです。その2曲とYou R Everythingという曲で初めてサンプリングにチャレンジしたので今後はサンプリング曲も増やしていきたいです。
MBM: Simon Saysのインタビューで「良いライブの基準てアーティスト側のパフォーマンスよりも、自分の世界に入り込んで楽しんだかどうかって感じ」であるとおっしゃっていますが、この考えはBlurrywonderの制作に影響していますか?
TAQ: ああーそうかもしれません。Taquwamiの音楽は自分が気持ち良くなれるかなれないかでしか作ってないのでそういう意味では似てるかもしれませんね。
MBM:タクワミさんは御自身の音楽をベッドルームでつくっているとお聞きしました。タクワミさんの寝室はどんな感じですか?又この環境はタクワミさんの音楽にどういう影響をあたえていますか?
TAQ: 本当にどこにでもあるワンルームでオシャレ感は少しもないです。そういう殺風景さが実際には見えない幽玄な風景や日本ランドHOWゆうえんちなどを思い浮かべながら音楽を作るのに影響してるかもしれません。
MBM: タクワミさんは現在東京でおこっている音楽シーンと繋がっていると感じますか?もしくはインターネットのコミュニティー?理由はなぜでしょうか?
TAQ: 僕自身は東京、というか特定の地域のシーンとは繋がってないんじゃないでしょうか。どちらかと言うと地域関係なくインターネット上でって感じじゃないかなーと。なんていうかChillwaveよりはBeat重視でWitch House/Trap/Hiphop全部突っ込んだみたいななんともいえないくくりのelectronic musicがインターネットであるじゃないですか。最近の人で言ったらGiraffage/XXYYXX/Beat Culture/Selva Oscura/Doseとか。僕は元々そのなんとも言えないところを勝手に目指していて現に今はそういうシーンで見られてると勝手に思ってます。実際そういった人達と交流もあるので勘違いじゃないと勝手に信じています。
MBM: 12. Simon Saysのインタビューでエメット・ブラウン博士が憧れの人物だと語っていますがこれは非常に興味深いと思いました。タクワミさんの楽曲でEdoDreamと過去の時代をテーマにしているかの様な曲があったり多くの古い音楽のサンプルが使われているようにも思います。過去の出来事又は時代はタクワミさんの作品にどういう風な影響をあたえていますか?タクワんは過去についてノスタルジックな感情をいだいていますか?昔に旅行したい等の願いはありますか?
TAQ: あれはジョークというか適当というか….なんの意味もありま千円。エメット・ブラウンて名前いいよねってあの時思ってただけです。でも過去に多大な影響を受けているのは間違いないです。音楽を作る上での原動力としてノスタルジーは80%くらいを占めている気がします。インターネットがないので昔に旅行したい気持ちは全くありません。でも純粋に過去に戻ってやり直せるなら高校1年まで戻りたいです。宅録の知識はそのままで。